開催日時:2019年8月23日(金) 11時~
会場:高岡市生涯学習センターホール(ウイング・ウイング高岡4F)
大会終了後交流会も開催されました。
○福岡女学院高校(福岡県)
自らの手で引いていた境界線そんなわたしがはみ出している
先鋒 中垣 郁花
薄暗い畳の部屋にわれの持つ手札一枚まっ赤な坊主
中堅 大宅 碧紗
5センチで生まれたこの手いま不意に進路希望を書かされている
大将 辻 愛生
VS
○宮崎南高校(宮崎県)
炭酸で割った手作り梅ジュースシュワッと暑さをはじき飛ばした
先鋒 浦田 ゆり
曾祖母の手はまだ温くうす紅のマニキュアを塗る納棺の朝
中堅 佐藤 ひかる
夏祭り君の返事が来る前に勝手にはじける打ち上げ花火
大将 長友 美優
勝利=福岡女学院高校
○富山中部高校(富山県)
キリと眼が光り碁石を睨みつけじゃらりぱちんと決まる次の手
先鋒 吉川 万優子
運命が手相ごときで分かるかと言いつつそっと手の皺をみる
中堅 木倉 里紗子
鳴りやまぬ拍手とライトに包まれていちばんきれいな私で踊る
大将 菅田 季沙
VS
○盛岡第三高校(岩手県)
六度目の緑見上げる会館で手駒弄りし最終試合
先鋒 山崎 駿介
炎天下肩に置かれた手の重みはにかむ友の瞳うつくし
中堅 一戸 玖瑠美
手のすきま今日いちにちがこぼれ落つ疲れを含んだ髪を解けば
大将 三浦 麻名
勝利=富山中部高校
〇所沢高校(埼玉県)
それぞれの形に泥を丸めたる子の手のひらの砂が煌く
先鋒 小木曽 真帆
特番のUMAの写真さながらに手を繋ぎ合う家族 夕焼け
中堅 森谷 花
キャンバスを手でなぞっては息づいた 絵を消すためのパレットナイフ
大将 佐倉田 綾花
VS
〇東京学館新潟高校(新潟県)
一手間を惜しまず父が深煎りの珈琲入れる日曜の朝
置き手紙に「ただいま」とだけ返事する母のくせ字は右肩上がり
中堅 栗田 岳
左手に油性のペンで書いたメモため息をつく「やること多いな」
大将 齋藤 恵俊
勝利=東京学館新潟高校
〇星野高校(埼玉県)
夕立の先端受けとむる両手母さん好きな人がゐました
先鋒 野城 知里
手の意味を国語辞典で引くようにスクロールする君との会話
中堅 高木 里緒
水かきを持たぬ私の手を透るまぶしき日差しこの夏が好き
大将 小久保 羽琉
VS
〇高岡工芸高校(富山県)
手を引かれそっとお面で顔隠す浴衣人波火薬の匂い
先鋒 石﨑 結唯
君の手を強く握って熱くなる高鳴る鼓動0となる距離
中堅 石川 凌太朗
準決勝手に汗にじむ10-8スリースターに走る緊張
大将 川辺 紗嬉
勝利=星野高校
○福岡女学院高校
次に会う約束をしてファミレスの梅昆布茶飲む君の横顔
先鋒 大宅 碧紗
夕焼けに溶ける輪郭 会いたくてでも会えなくてスマホを閉じる
中堅 中垣 郁花
新しい自分探しをして出会う五代目となる私の眼鏡
大将 辻 愛生
VS
○富山中部高校(富山県)
動かない時計の針に百年の過去と今とが出会う瞬間
先鋒 吉川 万優子
灼熱の砂漠で君に出会いたい水を求めるように求める
中堅 菅田 季沙
熱帯夜天井板と目が合ったシミュラクラクラお前は誰だ
大将 木倉 里紗子
勝利=富山中部高校
○東京学館新潟高校(新潟県)
掛詞「あう」が持ってる意味なんて「君に会うこと」それだけでいい
月曜日ショートヘアーにした君が「似合うかな」って僕に尋ねる
中堅 栗田 岳
目があうと君は時間を止めるけどいつも逸らすの僕の方から
大将 齋藤 周
VS
○星野高校(埼玉県)
面長なアンパンマンもいるだろう(誰も困ってなければ会える)
先鋒 野城 知里
我に合ふものの全てを欲したりたとへば歪みのある手鏡
中堅 高木 里緒
独り立つ空合ひ悪しき日の銀座海なりしこと忘れたる街
大将 小久保 羽琉
勝利=星野高校